茶の湯的 ・ 建築 庭園 町並み観賞録

 
 
 
 

旧植竹庄兵衛家住宅(大日苑)~茨城県稲敷市~

茨城県稲敷市にある旧植竹庄兵衛家住宅は、江戸崎入(霞ヶ浦)の干拓事業を主導した植竹庄兵衛の住居として昭和14年(1939)に建てられた、和洋館並列型住宅です。洋館・和館ともに現存し、現在はNPO法人・稲敷伝統文化保存会により管理されています(2018年2月訪問)。

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北側に建つ洋館は木造二階建てスレート葺、屋根の形状など特異な外観で、軒下や壁面にはレリーフが施されています。玄関ポーチが撤去され、窓にアルミサッシが入れらるなど、後世に改変を受けている点が残念…

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洋館の玄関内部。天井は格天井になっています。

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洋館内部はほとんどが和室になっていています。こちらは数寄屋風の一階座敷で、神棚も設置されています。

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洋館の階段。上部のアーチと螺旋状の親柱が特徴です。

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洋館二階・ホール。二階はホールを中心に、三つの和室が配置されています。

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洋館二階・客間。巨木の床柱も見事ですが、右手のガラス窓に埋め込まれた、鶴と松の透かしが圧巻です。

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ホール側(外側)から鶴と松の透かしを見る。階段の手摺で見えませんが、ガラス窓の下部は無双窓になっています。

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洋館の南側にある和館。外観は伝統的な和風建築そのもので、寺社建築のような趣きです。

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和館内部は、二間からなる広間と、脇座敷で構成されます。各仕切り欄間には、「堅田落雁」や「唐崎夜雨」など、近江八景をモチーフにした透かし彫りが見られます。

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和館広間の座敷。久邇宮朝融王の住居として使用されていた時期があり、天井は二重の格縁を巡らした吹寄折上格天井、床柱には鉄刀木(たがやさん)を使用するなど、贅を尽くした空間になっています。

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広間座敷の付書院。書院障子には梅と鶯、板欄間には富士と、いずれも見事な意匠の透かしです。

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広間と広縁の間の欄間には、鳳凰をモチーフにしたステンドグラスがはめ込まれています。和館の欄間にステンドグラスを入れるのは、非常に珍しい例と言えます。

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広間を取り巻く広縁の天井は、コーナー部分の造作が見事。

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広間の北側に続く、脇座敷。訪問時には、雛飾りが置かれていました。

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脇座敷の床天井には、様々なバリエーションの網代が見られます。

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脇座敷の欄間にも、ステンドグラスがはめ込まれています。

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敷地南側にある表門。門柱と塀は、モルタル洗い出しによる擬石です。門柱にある「大日苑」とは、後世に結婚式場として使用されていた時期に付けられた名称です。

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門を出て右側の林の中に、統一されたデザインによる複数の平屋洋館が残されています。植竹庄兵衛により建てられたものと言われ、経年や近年の火災の影響で荒廃していますが、宮家や軍人の宿泊に使用されたものとされる、貴重な遺構です。

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旧植竹庄兵衛家住宅は洋館、和館とも様式にとらわれない自由な手法がとられており、昭和初期の住宅建築としては非常にユニークかつ貴重な遺構と言えます。なお、年中公開されているわけではなく、見学の際は事前に予約が必要となります。

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旧岩崎家住宅② ~東京都台東区~

旧岩崎家住宅、後編です。今回は洋館二階と和館大広間、撞球室を見ていきます(2017年12月訪問)。

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洋館二階・客室。二階は3つの客室と集会室で構成されます。

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洋館二階・婦人客室。天井と壁紙をピンク色で統一した、明るい空間です。

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婦人客室には、一階の婦人客室と同様、イスラム風のデザインが見られます。

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洋館二階・南側客室。壁には金唐革紙が張られています。金唐革紙は、西洋の金唐革を和紙で模造した、日本固有の技術です。

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洋館二階・集会室。二階で最も広い部屋で、南面にはベランダへの出入口が付けられています。

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集会室の天井には、見事な中心飾りが見られます。

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二階ベランダ。列柱のデザインや板敷の床など、一階ベランダとは趣が異なっています。奥に見える建物は、旧岩崎邸和館の大部分を撤去して建てられた、最高裁判所司法研修所の旧庁舎です。

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大理石を用いた便所。明治期の住宅としては珍しい、水洗式便所です。

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洋館の南西には、和館の大広間が現存します。施工は、政財界人の邸宅を多く手掛けたとされる大工棟梁・大河喜十郎によります。

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大広間内部。かつて広大な面積を誇った和館は、現在では大広間を残すのみとなっています。

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大広間の床の間と付書院。床の間に描かれた富士は、明治日本画の巨匠と言われる橋本雅邦の作です。

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大広間の欄間は、岩崎家の紋「三階菱」をモチーフにしていると言われます。

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大広間廊下の引き戸にも、橋本雅邦作とされる板絵が見られます。

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大広間と洋館を繋ぐ渡り廊下。

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洋館東方には、撞球室があります。洋館と同じくコンドルによる設計ですが、洋館とは雰囲気が異なり、スイスの山小屋風の造りになっています。

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撞球室外壁はログハウス風の校倉造を基本としていますが、妻下部分は鱗型の板張になっています。

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撞球室内部。撞球室は地下通路で洋館と接続されています。

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洋館北部に現存する袖壁も、細かなレリーフやペディメントを設けるなど凝った造りになっています。

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旧岩崎家住宅は、終戦とともに連合国軍総司令部に接収されましたが、昭和28年(1953)に日本政府へ返還、平成15年(2003)には東京都に移管され、都立公園として一般公開されるに至りました。洋館、大広間、撞球室は国の重要文化財に指定されていますが、特に洋館は明治期の本格的な洋風建築として貴重な遺構と言えます。

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旧岩崎家住宅① ~東京都台東区~

東京都台東区にある旧岩崎家住宅は、三菱第3代社長・岩崎久彌の本邸として明治29年(1896)に建てられました。洋館と和館の一部が現存しており、見所が多いため二回に分けてご紹介します(2017年12月訪問)。

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旧岩崎家住宅は、迎賓館としての洋館と、生活空間としての和館から構成されます。和館は大部分が取り壊され、現在では大広間を残すのみとなっています。

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洋館玄関部分の塔屋。洋館は木造二階建てスレート葺、外壁は下見板張りで、設計は三菱お抱えのイギリス人建築家、ジョサイア・コンドルによります。

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洋館は17世紀前半のイギリスで流行した、ジャコビアン様式を基調としています。玄関上部の塔屋や、外壁の細かなレリーフのデザインは、ジャコビアン様式の特徴とされます。

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洋館東面。中央にベイ・ウィンドウがあり、一階にはサンルームが設けられています。

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南東方向から洋館を望む。南面は、コンドルが好んだとされる、各階にベランダを設けるコロニアル様式となっています。

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一階ベランダ。天井の菱形模様や列柱のデザインは、ジャコビアン様式の特徴とされます。

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玄関内部。

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玄関の欄間や窓には、ステンドグラスがはめ込まれています。

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玄関ホール。左手に進むと洋館中心部、奥に進むと和館に続きます。

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玄関ホールから廊下を進んだところにある、一階ホール。重厚なマントルピースには、黒大理石とヴィクトリアン・タイルが使用されています。

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一階・食堂。

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一階・客室。

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一階・婦人客室。天井に施されたシルクの刺繍が目を引きます。

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婦人客室のコーナー部分には、コンドルが好んだイスラム風デザインのアーチがつけられています。

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一階・書斎。三菱幹部との打合せなどに使用されたと言われます。

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明治後期に増築された、一階東面のサンルーム。

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ホールに設けられた階段。手前の列柱下部に彫刻が施されている点が、ジャコビアン様式の特徴とされます。

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後編へ続きます。

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旧田中銀行主屋 (旧田中銀行博物館) ~山梨県甲州市~

旧田中銀行主屋は、山梨県甲州市勝沼町にある明治期の擬洋風建築です。もともと勝沼郵便電信局舎として明治30年代に建てられたもので、大正9年(1920)から田中銀行社屋として、昭和11年(1936)以降は田中銀行頭取だった田中家の住宅として使用されました。現在は旧田中銀行博物館として一般公開されています(2017年8月5日訪問)。

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明治期の山梨県内には、藤村紫朗の指導の下、多くの擬洋風建築が建てられました。旧田中銀行主屋は、旧睦沢学校などの藤村式建築を手掛けた、松木輝殷の施工とされます。

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木造二階建て、屋根は入母屋造桟瓦葺で、正面に千鳥破風を備えています。一方で窓は上げ下げ窓、外壁には灰漆喰を使用して石造りのように見せるなど、和洋折衷のデザインになっています。

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一階玄関ポーチ。天井は菱組天井になっており、扉には塗装による「ペンキ木目」が描かれています。ペンキ木目は、建物内の他の扉にも見られます。

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玄関ポーチの支柱には、細かい矢羽根状の装飾が施されています。

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一階内部。郵便電信局舎時代は4つの部屋に分かれていましたが、銀行社屋として使用するにあたって壁が撤去されています。

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一階には銀行時代にカウンターが設置されていましたが、住宅時代に撤去されたようです。天井には古民家で見られるような立派な梁が通されています。

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一階に展示されている事務用の机。銀行時代に頭取が実際に使用していたものです。

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一階には電話室も設けられています。

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一階便所の、陶器製の便器。

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二階への階段は螺旋階段になっており、手摺にも洋風意匠が見られます。

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二階は中央の廊下を挟み、左右に和室が設けられています。

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二階和室は、第二次大戦中に田中本家へ疎開していた北白川宮家の侍従・水戸部孚が住居として使用していました。

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現在も北白川宮家にまつわる調度類が多数残り、展示されています。

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二階・バルコニー手摺の意匠。

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主屋の北側には、大正9年に建てられた土蔵が残されています。

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コンクリート製の門柱。中央にはガス灯が設けられています。

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長い間、田中家の住宅として使用されていた旧田中銀行主屋ですが、平成9年(1997)に国の有形文化財に登録され、翌平成10年には勝沼町(現在の甲州市)に寄贈され、同17年から博物館として一般公開されています。山梨県内には旧津金学校旧室伏学校など「藤村式」の擬洋風建築がいくつか残されていますが、いずれも校舎建築であり、旧田中銀行は藤村式建築の流れをくむ銀行建築として、貴重な存在と言えます。

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旧亀岡家住宅 ~福島県伊達市~

福島県伊達市にある旧亀岡家住宅は、伊達崎村(現在の桑折町伊達)の実業家・亀岡正元の住宅として、明治37年(1904)頃に建てられたと推定される和洋折衷の大型住宅建築です。平成7年(1995)、伊達市保原総合公園内の現在地へ移築され、現在は国の重要文化財に指定されています。

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建物は座敷棟と居住棟から構成されます。座敷棟は木造二階建て、寄棟造り桟瓦葺で、正面に八角形の展望室と玄関ポーチを設けています。赤瓦の屋根、屋根上の尖塔風の通気孔、銅板張りの外壁など、個性的な外観になっています。

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座敷棟の玄関ポーチには、見事な折上げ格天井が見られます。

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座敷棟の背面には平屋建ての居住棟が付属します。現在は座敷棟の玄関は使用されておらず、居住棟から内部に入ります。

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居住棟入口の内側は、土間と板の間で構成される炊事場になっています。洋風の外観に比べ、建物内部は大部分が和風の座敷になっています。

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居住棟の主室となる、主人居間。「けやきの間」と呼ばれ、見事な折上げ額縁格天井や松竹梅の欄間など、全体にケヤキ材が使用されています。ガラス戸には家名に因んだ亀甲紋の格子が見られます。

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主人居間の奥にある家族居間。こちらも天井はケヤキ材を使用したもので、木目が市松状になるように配置された折上げ格天井になっています。付書院には、主人居間と同じく亀甲紋の組子が見られます。

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主人居間や家族居間では、床板や付書院に鶴亀の彫刻が施されています。

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次の間から見る座敷棟一階の正座敷。「杉の間」とも呼ばれ、床柱の柾目材をはじめ主に秋田杉を使用しています。正座敷、次の間とも天井は僅かに折上げた格天井になっています。

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座敷棟南東隅にある主人書斎。旧亀岡家住宅で唯一の洋間で、天井は中央を折上げた唐傘天井になっています(案内では「中央折上傘板張天井」となっていました)。

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座敷棟玄関のガラス戸。旧亀岡家住宅で見られるガラスは、全てイタリアから輸入品です。

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座敷棟の北端にある廻り階段。ケヤキ材をふんだんに使用し洋風意匠を施した、豪華なものです。

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階段の直下にあたる一階脇座敷の天井は、階段の曲線に合わせた、珍しいひねり天井になっています。

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座敷棟二階は、中央と四周を廊下が巡り、それらの間に3つの座敷が配置されています。

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二階・西座敷。床柱に鉄刀木、床框には紫檀、落し掛けには黒柿と、高級材がふんだんに使用され、付書院の格子は全て面取りされています。

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二階・東座敷。床廻りには花梨、黒柿、鉄刀木、栗、欅などの銘木を使用し、上質な数寄屋風の意匠としています。中でも埋もれ木を使用した落し掛けや、珍しい「うずら杢」の黒柿を使用した床柱の控え柱は見所です。

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東座敷の床天井も、菱形の格天井と、凝った造りになっています。

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二階南面の出窓部分(アルコープ)。左端にはひねりをもたせた階段が設けられ、その上は八角形の三階展望室となります(非公開)。

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二階の四周を取り巻く廊下では、コーナー部分の床板や天井板が放射状に張られ、天井の竿縁がカーブを描く独特の意匠となっています。

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施主・亀岡正元は、蚕種製造により財をなし、後には伊達崎村長や県会議員なども務めた人物です。旧亀岡家住宅の設計者ははっきりしませんが、岡山県内に多く残る江川三郎八の作品との共通点が多いとされ、江川による設計と考えられているようです。上質な木材をふんだんに使用し、随所に個性的な意匠や優れた技術を見ることができる、優れた住宅建築です。

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プロフィール

Hakka

Author:Hakka
関東近郊を中心に、古い町並みや建築(近代建築中心です)、日本庭園を訪ねています。どうぞよろしくお願いします。
※建築は基本的に内部公開されているものを取り上げています。
※画像の無断転載はお断りします。

 
 
 
 
 
 
 
 
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