茶の湯的 ・ 建築 庭園 町並み観賞録

 
 
 
 

旧久松家別邸・萬翠荘 (愛媛県松山市)

萬翠荘(ばんすいそう)は、旧松山藩主・久松家の当主だった久松定謨(さだこと)伯爵の別邸として、大正11年(1922)に建てられたフランス・ルネッサンス様式の洋館です。2014年に一度訪れ、当ブログでもご紹介しましたが、改めて取り上げます。

1025.jpg



構造は鉄筋コンクリート造2階(地下1階)建てで、東南隅に尖塔を、二階南面にはバルコニーを設けています。外壁はタイル張り、屋根は上部を銅板、下部を「鱗瓦」と呼ばれる半円形の天然スレート葺きとする、マンサード屋根になっています。





一階南面に設けられた玄関。上部にはペディメントを伴います。

1030.jpg




玄関では、扉や欄間にアール・ヌーヴォー風の装飾が施され、床は大理石を市松風に敷いています。

267_201705292056399ae.jpg




玄関内扉。階段は大理石製、欄間にはアール・ヌーヴォー風のステンドグラスがはめ込まれています。

1017.jpg




一階東南部にあたる謁見の間。サロンとして使用されていた部屋です。

265_20170529205455a54.jpg



大理石を用いた、謁見の間のマントルピース。萬翠荘では各部屋に大理石のマントルピースが設置されていますが、いずれも当時最先端だったガス暖房を備えています。

1009.jpg




一階・晩餐の間。木工が多く用いられ、天井も格天井と、和の雰囲気が感じられます。

1007.jpg




晩餐の間の照明は、水晶を使用した豪華なもの。

999.jpg




階段室を兼ねた玄関ホール。階段手摺にはチーク材の一本木が使用されています。

927.jpg



階段踊り場には巨大なステンドグラスがあり、萬翠荘における見所の一つとなっています。宇野澤辰雄、別府七郎と並んで、日本におけるステンドグラス製作のパイオニアである木内真太郎の作品です。

929.jpg




二階・迎賓室。天井には中心飾りをはじめ、細かな彫刻が施されています。

949_201705292056461f8.jpg




迎賓室入口上部のステンドグラス。各部屋の入口上部には、それぞれ異なるデザインのステンドグラスがはめ込まれています。

948_201705292056446d1.jpg




二階・貴賓室。白を基調とした、清楚な空間です。

955_20170529205649286.jpg



貴賓室西側。窓に囲まれた開放的な空間で、裕仁親王(昭和天皇)が滞在時にここで食事をしたそうです。

962_201705292058280d8.jpg


萬翠荘は愛媛県で最古のコンクリート建築で、設計はお隣・愛媛県庁や三津浜の旧石崎汽船本社を手掛けた木子七郎によります。太平洋戦争終結後、一時的に米軍に接収されますが、その後は裁判所や美術館の施設として使用され、現在は管理棟とあわせて重要文化財に指定されています。

993_20170529205641487.jpg 


1ヶ月近くに渡って四国の庭園や建築を取り上げてきましたが、今回の記事で最後となります。お付き合い頂きありがとうございました。

スポンサーサイト
 
 
 
 
プロフィール

Hakka

Author:Hakka
関東近郊を中心に、古い町並みや建築(近代建築中心です)、日本庭園を訪ねています。どうぞよろしくお願いします。
※建築は基本的に内部公開されているものを取り上げています。
※画像の無断転載はお断りします。

 
 
 
 
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
検索フォーム
 
 
 
 
 
 
ブロとも申請フォーム
 
 
 
 
QRコード
QR
 
 
Pagetop